近年、SNSや検索エンジンで電動キックボードの安全性に関する検索が急増しています。
2023年7月の法改正以降、「特定小型原動機付自転車」として新たなルールが設けられ、多くの方が「本当に安全なの?」「危険じゃないの?」と疑問を持たれています。
この記事では、2025年現在の最新データと実証実験結果をもとに、電動キックボードの安全性の実態を詳しく解説します。
電動キックボードとは?最新の法規制と安全基準
特定小型原動機付自転車としての電動キックボード
2023年7月1日の道路交通法改正により、電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」という新しい車両区分に位置づけられました。
これにより、以下の条件を満たした電動キックボードは16歳以上であれば免許不要で利用できるようになりました。
- 最高速度20km/h以下(車道走行時)
- 最高速度6km/h以下(歩道走行時)
- 長さ190cm以下、幅60cm以下
- 保安部品(ライト、ウインカー、ブレーキ等)の装備
安全装置と保安部品の標準装備
現在市販されている電動キックボードには、国土交通省の型式認定制度に適合した「特定小型原動機付自転車」として、以下の安全装置が標準装備されています。


でも電動キックボードって本当に安全なんですか?

確かにそう思われるのも無理はありません。でも実は、適切な使用方法と安全対策を講じれば、十分安全な移動手段なんです。特に最新の公的データを見ると、その安全性がよくわかりますよ。
安全性を証明する最新データ(2024-2025年)
事故統計の実態

警察庁が公表した最新の統計によると、法改正後の1年間(2023年7月~2024年6月)における特定小型原付に関連する交通事故は以下の通りです。
- 交通事故件数: 219件
- 死者数: 0人
- 負傷者数: 226人
一方で、自転車の事故データと比較する声もありますが、その解釈には注意が必要です。
乗り物 | 事故件数(※) | 負傷者数(※) |
---|---|---|
電動キックボード | 219件 | 226人 |
自転車 | 69,996件 | 68,602人 |
※電動キックボードは2023年7月~2024年6月、自転車は2023年1月~12月のデータ
【データ比較の注意点】
このデータだけ見ると電動キックボードの事故が少なく見えますが、国内の保有台数(自転車は約7,000万台)や利用シーン(都市部の交通量が多い場所での利用が中心)が大きく異なるため、単純に事故率を比較して「安全だ」と結論づけることはできません。
重要なのは、多くの事故が交通ルール違反やヘルメット非着用など、不適切な利用によって引き起こされているという事実です。
JAF実証実験が明らかにした驚きの安全効果

日本自動車連盟(JAF)が実施した電動キックボードの衝突実験では、ヘルメット着用の絶大な安全効果が科学的に証明されています。
- 縁石衝突時(時速20km/h)のHIC値(頭部損傷基準値)
- ヘルメット着用時: 1,231.8(HIC値)
- ヘルメット非着用時: 7,766.2(HIC値)
この結果は、ヘルメット着用により、重篤な頭部損傷や死亡に至るリスクが約6分の1以下に大幅低減されることを示しています。

HIC値って何ですか?

HIC(Head Injury Criterion)は頭部損傷基準値のことで、衝突時の頭部への衝撃を数値化したものです。1000を超えると頭部傷害の可能性が出始め、3000を超えると重篤な傷害が発生する確率が非常に高くなります。非着用時の7,766.2という数値は極めて危険であり、ヘルメットの効果は本当に絶大なんです!
電動キックボードの優れた安全機能
最新モデルの電動キックボードには、利用者の安全を守るための技術が搭載されています。
1. 危険行動検知システム
LUUPの独自システム「LUDAS」では、GPSデータを活用して通行禁止道路の走行や危険な運転パターンを検知し、利用者に警告を発する機能を搭載しています。
2. 自動速度制限機能
歩道モードに切り替えると、物理的に最高速度が6km/hに制限されます。一部のモデルでは、傾斜を検知して下り坂での速度超過を抑制する機能も搭載されています。
3. 高性能ブレーキシステム
前後輪にディスクブレーキやドラムブレーキを搭載し、確実な制動力を確保します。回生ブレーキ(モーターの抵抗を利用するブレーキ)を併用し、滑らかな減速を補助します。
実際の商品例:楽天で人気の安全性重視モデル
TOSX8 電動キックボード
楽天市場で販売されているTOSX8モデルは、型式認定を取得し、以下の安全機能を搭載しています。
- 基本スペック
- 最高速度:歩道6km/h、車道20km/h
- モーター:36V/350W
- タイヤ:10インチ
- 重量:16.5kg
- 耐荷重:150kg
- 防塵防水等級:IP54
- 安全装置
- 前後ディスクブレーキ
- 高輝度LEDヘッドライト、テールライト、最高速度表示灯
- ウインカー
- 液晶モニター(速度・電池残量表示)
実際のユーザーレビュー
楽天市場のレビューから、安全性に関するコメントを引用します。
「組み立ても簡単で、走行もスムーズでした。近所で試乗した20万円の電動キックボードとなんら変わりないです。これからはタクシー移動が減るので良かったです。」
「ランプ類の視認性は良好。ブレーキも十分効きます。6キロモードへの切り替えも簡単です。サスは無いがタイヤは10インチで乗り心地に問題無し。」
「初めて電動キックボードを購入しました。加速もしっかりしてくれて乗り心地も良く、普段使いにとても便利で重宝してます。」

でも、電動キックボードの事故のニュースをよく見るような気がするんですが…

確かにメディアでは事故のニュースが目立ちますが、それは新しい移動手段への注目度が高いからです。実際の統計を見ると、適切な使用をしている限り、決して危険な乗り物ではありません。重要なのは正しい知識と安全対策ですね。
メリット・デメリット
メリット
- 環境への優しさ
CO2排出ゼロで静音性が高い(約40dB程度)。 - 経済性
1回のフル充電の電気代は約13円程度。
ガソリン代や駐車場代が不要。 - 利便性
免許不要(16歳以上)で、折りたたみ可能なモデルも多い。 - 高い安全性(適切使用時)
ヘルメット着用で重大事故リスクが大幅に減少。
速度制限や保安部品も標準装備。
デメリット・注意点
- 天候への依存
安全のため雨天時の使用は推奨されない。 - バッテリー管理
航続距離に限界があり(通常30-55km程度)、充電時間(3-6時間)が必要。 - 路面状況への敏感さ
段差や砂利道では不安定になりやすい。 - 初期導入コストと維持費
購入費用:8〜20万円程度
ナンバープレート取得費用(数百円程度)
自賠責保険料(必須。2年契約で年あたり4,020円など)
想定ユーザー像

- 最適なユーザー: 短距離通勤者、観光・レジャー利用者、公共交通を補完したい方、環境意識の高い方。
- 避けるべきユーザー: 交通ルールを守る意識の低い方、ヘルメット着用を軽視する方、バランス感覚に不安のある方。

高齢者でも安全に使えるんでしょうか?

はい、適切な使用をすれば高齢者の方にも便利な移動手段となり得ます。実際のレビューでも「足の悪い母のために」といった声があります。ただし、利用前には必ず安全な場所で十分に練習し、操作に習熟することが極めて重要です。
FAQ(よくある質問)
- Q電動キックボードは本当に安全なの?
- A
JAFの実証実験により、ヘルメット着用時の安全性は科学的に証明されています。
HIC値(頭部損傷基準値)で比較すると、ヘルメット非着用時のリスクは極めて高く、着用により重大事故のリスクを6分の1以下に減らせます。
- Q免許は本当に必要ないの?
- A
はい。
2023年7月1日の法改正により、「特定小型原動機付自転車」に該当する電動キックボードは16歳以上であれば免許不要です。
ただし、自賠責保険の加入とナンバープレートの取得・表示は法律上の義務です。
- Qヘルメットは必ず着用しないといけないの?
- A
法律上は努力義務ですが、命を守るために着用を強く推奨します。
JAFの実験データが示す通り、非着用時のリスクは着用時と比べて6倍以上に跳ね上がり、万が一の際に頭部に致命的なダメージを負う可能性があります。
- Qどこを走ればいいの?
- A
原則として車道の一番左の車両通行帯を走行します。
最高速度を6km/hに切り替え、最高速度表示灯を点滅させれば、自転車が走行可能な歩道(「自転車通行可」の標識がある歩道など)を通行できます。
その際は歩行者優先です。
- Q雨の日も乗れるの?
- A
IP54等級などの防水機能を持つ機種でも、安全上の理由から雨天時の使用は推奨されません。
路面が滑りやすくなり、制動距離が長くなるため非常に危険です。
- Qバッテリーはどれくらい持つの?
- A
一般的な機種で30〜55km程度の航続距離があります。
充電時間は3〜6時間程度で、フル充電の電気代は約13円と経済的です。
- Q保険は必要?
- A
自賠責保険の加入が法律で義務付けられています。
2024年4月から専用の保険料が設定され、24ヶ月契約で8,040円(1年あたり4,020円)など、以前より安価になっています。
万が一の対人賠償に備え、個人賠償責任保険などの任意保険への加入も検討しましょう。
まとめ
電動キックボードは、ルールと安全対策を正しく理解して利用すれば、非常に便利で安全性の高い移動手段です。
安全性を確保するポイント

2025年現在、法規制の整備と安全基準の確立が進み、電動キックボードは次世代の移動手段として着実に社会に浸透しつつあります。
正しい知識と高い安全意識を持って、快適なモビリティライフを実現しましょう。
楽天市場でおすすめの安全性重視モデル
これらの製品は、国土交通省の型式認定を取得しており、必要な保安部品がすべて装備されているため、安心してご利用いただけます。